キブツ生活 ナツメヤシってどんな果物?
シャロームハベリーム!
働いてきました。これからいよいよ長い収穫の時期に突入します。
樹齢10~15年のナツメヤシ(種類:デケル・ヌール) 実の色は緑→緋色→ブラウンへと変化していく
猛烈な太陽の下でこれまで収穫(ガディットゥ)のための準備をし、そしてこれから
夏の終わりまで毎日収穫しまくりますo(`ω´ )o
シーズン中は昼間だけでなく、夜間のシフト表も貼り出され
老若男女キブツメンバーを総動員し収穫作業を行います。
ガレージではサマール独自の大型機械が次々に整備され、出番を待っています👇
このマシンには以前住んでいた日本人女性の名が付いている
その名も「MEGUMI号」
私はこれまでナツメヤシをいうものをイスラエルに来るまで見たこともなければ食したこともありませんでした。
現在は主に北アフリカ諸国や中東諸国の広範囲で栽培されていますが、日本人にとってはまだまだ馴染みがない果物だと思います。
日本のオーガニックショップには置いてあるんでしょうか?あったらどこの国から輸入しているかが気になります。
我々にとって馴染みのないナツメヤシの歴史は長く古代エジプトやメソポタミアの時代、つまり今から7000~8000年前に既にひとによって栽培されていたと考えられています。またナツメヤシはムスリム経典コーランにも度々登場し、旧約聖書創世記ではエデンの園の中央に植えられた「生命の木 Tree of Life」はナツメヤシがモデルになっているとも言われています。もともと極端に雨の少ない砂漠地帯で育ち、その味は蜂蜜のように濃厚で栄養価も高いため太古から砂漠の民やベドウィンなどの遊牧民にとっては生きるのに欠かせない食料となってきました。砂漠に住む太古の人間が宗教話に登場させ神と結びつけ重要な樹として位置づけるのも納得できる気がします。
ちなみにイスラエルで砂漠地帯があるのは南部と死海周辺のエリアのみで、
湿気の多い中央部や北部ではナツメヤシが育つのには適さないそうです。
砂漠という極地に一体どれほど強い果樹なのでしょう!Σ(゚д゚lll)
作業場所へはトラクターかTOYOTA HIACE(ボロボロ)で移動
Kibbutz Samarのナツメヤシを紹介!
さて、我々がの農場で育てているナツメヤシは以下の4種類です。
上から農場全体を占める割合が多いものから順にしています。
現在、一万本弱のナツメヤシが植えられているとのことです。
*メジュール(60%)
*デケル・ヌール(25%)
*バリ(10%)
*ザヒディ(5%)
それではそれぞれの種類の特徴やこれまでの作業内容を紹介します。
[メジュール]
現在イスラエルで栽培されているナツメヤシの中で一番一般的な種類と言われています。実のサイズは他と比較すると大きく一つの総に大量に実っています。
熟してくるとキレイなブラウン色をしており、食感はネチネチした干し柿のようです。
味は非常に濃厚で、糖度と栄養価が高そうなのが一口でわかります。
メジュールの消費は国内だけに留まらず海外へも輸出されており、
また近年はそのナツメヤシ市場がインドで拡大しているとのことです。
メジュールの起源をキブツのひとに聞いたら、一説によると現在世界各国で栽培されているメジュールの全ての木は元々一本の原木から広まったとのことです。取れた実の種を採取し増殖させたのではなく、オリジナルの木の根元から生える部分を新たな苗として根こそぎ大地から取り出し、それを植えまたその木から苗を取り出し増殖させていったとのことです。どこからどう広あったかのかと聞くと、かつてモロッコかナイジェリアの王国にその原木はあったが、盗まれたため世界各国へ拡大していったとか.....
最初は伝説の域から出ない話かと思っていましたが、他の人にも聞くと同様なことを言うので驚きました。しかし、いつの年代の話か誰も定かではないため結局どこまでほんとなのかハッキリしません!( ;´Д`)
さてメジュールの収穫のための作業は剪定(リグゾーム)と実がついた房全体に袋を
取り付けるというものでした。
剪定作業は徒歩と大型機械を使う二通りをやりました。
この徒歩での剪定作業はほんとに大変でした。
まず灼熱の中を飲み水を入れたポリタンクと大きな剪定バサミを担ぎながら
木から木へと移動していかなければなりません。
しかも、ナツメヤシの枝の元には先端に毒を持った鋭く長い棘があり
それに注意を払いながら枝をかき分けハサミを入れる必要があります。
また昔切られた棘付きの枝が周辺には捨てられており、
踏むと棘は容易に靴の底を貫通し、足の裏まで届いてきます。
雲ひとつさえない空の下、熱さ×棘×毒の脅威との戦いでした。
広大な農場をひたすら歩いて作業
木陰で休憩 水はガブガブ飲まないと脱水症状で死んでしまいます
ポリタンクは10ℓ分
実ついた房全体に袋を取り付ける作業は、剪定作業よりも大変でした。
袋をつける理由は防虫防鳥と収穫の際は袋ごと揺らして中に落として
そのまま回収するためです。
余分な枝を伐採するだけのとは違い、枝や雑草をかき分け棘を避け、時には重い総を持ち上げ二人がかりで袋を取り付けました。
単純な作業ではありましたが、とにかく灼熱のなか徒歩でという点と剪定よりも何倍も体力を使うという点で非常にしんどかったです。
袋かけ完了後のメジュール 枝の元に毒棘が見える
[デケル・ヌール]
次に紹介するのはデケル・ヌール。
ヌールとは元々アラビア語で火の色、つまり赤を意味しています。
文字通り緑から収穫時のブラウン色になる途中に真っ赤な色に
実全体が変化します。
緋色に変わっている途中で落ちたもの ナツメヤシは追熟しないらしいので枝から離れた時点で色の変化も止まる
デケル・ヌールもメジュールと同様、輸出もしているようです。
熟したものを食べていないので、味の比較ができませんが、
メジュールと異なる点は、収穫までの手入れです。
メジュールは房全体に袋をかけましたが、デケル・ヌールには
実に着くミクロの蜘蛛とその巣を払い落とす作業をしました。
蜘蛛が取り付いたものを見せてもらいましたが、蜘蛛と判別するのさえ分からないほど
のミクロサイズ!
よーーーく目を凝らすと0.1~0.2ミリ程の白いものが実の間をうごめいてました👇
蜘蛛はミクロ過ぎて写りません 実の隙間に見える白いものが糸です
なぜ蜘蛛を払いとす必要があるからと言うと、蜘蛛はナツメヤシの皮と果肉の間を嚙り
品質を下げてしまうかららしいです。
では、こんな微細な蜘蛛と巣をどうやって落とすのか?というと、
水を高圧放射するという方法で作業をしました。
以前は農薬を使っていたということですが、収穫後倉庫でパッキングの際に
人体への影響が良くないということで水へ切り替えてたそうです。
ということで、ここのナツメヤシは水のみで虫を撃退!100%オーガニック!
です( ´ ▽ ` )ノ
そして高圧放射するマシーンは一体どんなものなのか?
ここ注目です👇
サマールが誇る高所放水マシン 名称<ハギ・シャグ>
後部のタンクは合計で総水量5,500リットル
運転席とは逆の方面を向いたシートに座りJoy stickコントローラーで先端に装着された放水機 通称<キャノン>を操る
上下に伸びる白いホースは手作り連絡用ホース
サマールが独自開発したコントローラー
高所にあるナツメヤシに放水中 トラクターエンジンの圧を上げると
水力も増すようになっている
さながら映画マッド◯ックスに登場するかのような仕様に最初は驚きました( ´Д`)y━・~~
自分はハンガリーのルームメートと一ヶ月弱毎日Joy stickで放水し続けていました。
おかげで途中から片手だけでもコントローラーを操作するまで腕が上がりました!(笑)
このハギ・シャグのようにサマールでは自分たちでガンガン改良を加え、
オリジナリティー溢れるマシンを作ることが他のキブツと一線を画している、
と言われています。
ちなみに<キャノン>一個のお値段は2500シェケル(約70,000円前後)だそうです👇
作業をしない時は柱を倒します
[バリ]
バリはここの農場では比較的新しいほうで、10~15年の木ばかりです。
よってまだ低木なものが多く、他の種類とも区別がしやすいです。
一番古いナツメヤシの木は約40年前に植えられたもので、高さは15m近くあります。
老木になるにつれ重い先端部分を支える力が弱くなり、かなり傾き倒れそうなものは危険なため伐採されていきます👇
バリについて聞くとここイスラエルではサマールともう一つのキブツの二箇所でしか
栽培されていないそうです。
国内で需要はあるが、供給が追いつかないためブランド化しているのだとか...
ここサマールでは先週全てのバリの房に袋を取り付ける作業が終了しました。
メジュールと同様、実がブラウン色になり熟してから収穫するためあと2ヶ月ほど
待機期間がありそうです。
また育つのに適さない北部でも栽培がされているらしいですが、
湿気が多いため実の色が黄色の時に収穫される、と聞きました。
追熟はしないと聞いていましたが、うーん
まだまだ色々奥が深いナツメヤシです。
さて、バリのこれまでの作業ですがデケル・ヌールに施した高所放水とは
異なりマニュアルタイプでの放水作業を行いました。
これも実を囓る虫を落とす目的があります。
方法はいたってシンプル。巨大なタンクを積載したトラクターでヤシの間を徐行しながら総目がけて消防士よろしく放水しまくっていくだけです👇
低木なため跳ね返りも半端なく全身びしょびしょになります。
しかし、猛烈な暑さのなか濡れながらやるこの作業が一番快適だった気がします
ε-(´∀`; )
おじさんとそれぞれ左右のヤシへ放水!
[ザヒディ]
最後に紹介するザヒディは写真がありませんが、見た目は他と同じです。
4種類の中で一番安価で売買されるらしく、そのためなのかここでもわずかしか
栽培していません。ハンガリーのルームメイトに聞くと母国でも売られているそうで、輸出国はイラン、サウジアラビア、モロッコ、エジプトと他の中東諸国ではメジャーみたいです。
サマールの農場では全体の約5%しか栽培していないザヒディですが、
ハマスが実効支配するガザ地区への食料としても供給しているとのことです。
安価なナツメヤシだからガザ地区へはザヒディのみ供給しているのか、他のナツメヤシも送っている中にザヒディも混ぜられているのかは分かりませんが作業を通してこの国の抱えている問題の一つへ間接的に触れた気がします。
以上、これまで働きながら自分で見聞きしてきたことを
まとめてみましたがナツメヤシという果実と農場での作業の雰囲気が少しでも
伝わったでしょうか。
次回は、いよいよ始まる収穫の様子をお伝えしたいと思います!
明日は安息日のシャバット( ^ω^ )
それではみなさんシャバットシャローム!
キブツって一体なんだ?どんな場所なの?!
こちらイスラエルに来て早一ヶ月が経ちました!
砂漠へ来ては3週間弱。
この猛烈な熱さにはもう慣れました。
毎日、半日以上も外にいるおかげで、こちらのひとよりも焼けてます( ;´Д`)
よく「お前焼けすぎだろッ!」と言われるようにもなってしまいました(笑)
ところで、前回は今住んでいる砂漠地帯がどんな感じかを伝えました。
今回は、なぜそんな砂漠に住めんの!?かそのワケを紹介します。
簡単に言うとイスラエルにはキブツ(Kibbutz,קיבוץ)という場所があり、私はそこで海外からの労働力として働く代わりに住まわしてもらっているからです。
上空に珍しく雲が大量発生
キブツって??
キブツとは元々ヘブライ語で「集団・集合」を意味する言葉です。
日本語では共産農業共同体とか社会主義的共同体という言葉に訳されています。
現在では主に灌漑事業、農作業に従事しており国内で消費される野菜や
果物のほとんどを生産しておりイスラエルの産業を支えています。
キブツの中には宿泊可能な施設があるものや観光業、プラスチック工場などを仕事にしているところもあります。
現在、国内には270以上のキブツがありそれぞれが独自のポリシーや精神・理念、ユニークさを持っています。
またキブツのサイズも様々で、人口が100~1,000人規模のものまで幅広いです。
因みに国内のどこにどんなキブツが点在しているかがまとめられているサイトがあるので、興味があるひとはどうぞ!ワンクリックで簡単検索!
<Find your friends from the Kibbutz!>
http://find.kibbutzvolunteers.org.il/map.php
キブツの歴史は、100年以上のものから最近できたものまであり千差万別なので、
基本的な歴史はwikipediaに任せいます!
こちらもご確認ください👇
主にここでは自分の目で見て、肌で感じ、また聞いたり調べたりしたことをお伝えします!
Kibbutz Samarに来ました!
私のいるキブツサマールは、南部ネゲブ砂漠の端、ヨルダン国境の直ぐ隣に
位置しています。サマールとはヘブライ語でイグサ系の植物の名前です。
こっちのひとに聞いたら1976年に創設された当時、今のナツメヤシ農園があった場所にたくさん生えていたことからその名前を付けたと言われています。
名前の由来の植物 アラブ人は編んでロープを作っていたという
ー住人ー
人口はおよそ40世帯ほどからなり、国内外の労働力としてのボランティアを含めると200人前後です。イスラエル国内のキブツとしては、小規模だと言えるでしょう。
現在は、オーストラリア、ドイツ、フランス、ハンガリー、ポーランドそして日本の
6か国から各1名づつのボランティアがいます。
他にもエチオピアからのユダヤ人やイギリスやアメリカからの移住者もいたりと
人種も国籍も様々です。
ボランティアハウス 2~4人で共同生活を送る
先日、正確な世帯数や人口について受け入れの担当をしているひとに聞いてみたら、
「え〜っとな、いまはだいたい150~200人くらいかなぁ」
という感じでそれほど把握してませんでした!( ´ ▽ ` )ノ
というのも、定住者や移住者など一定数はいるものの、ボランティアは新たに来る人や期間を終えて出て行くひとがいたりと流動的でもあるからだと思います。
どんなひとが住んでるのか、どんな理由でサマールへ移り住んできたのかなどは
今後もっと調べてから投稿したいと思います!
ーサマールの産業ー
キブツの全体図
サマールの主力産業は乳牛とナツメヤシ栽培です。
ミルクはほぼ毎日採取しているようですが、ナツメヤシの収穫はまさにこれからであり
繁忙期は来月中旬から10月頃までだそうです。収穫の間はキブツメンバー総動員で
作業し、昼間と夜間のツーシフトで行うとのことです。
ここに来てからほぼずっと農場で働いていますが、作業内容やナツメヤシの種類や流通等に関してもなかなか奥が深いことが分かってきました。
またナツメヤシについても一つの投稿としてまとめてから皆さんにお伝えしようと思います( ^ω^ )
他にも芝生の栽培と販売や観光業も行っています。
また定住者は農園やキブツ内の事務所で働く人もいれば、隣のキブツや
南部のエイラットで仕事を持っているひともいます。
かつて日本を旅したことがきっかけで日本とイスラエルで鍼灸の勉強をし、
イスラエルで資格を取得したひとは隣のキブツのクリニックで働いたり、
エイラットでも依頼者に施術をし仕事にしています。
キブツ外での仕事による収入は全体の約2割程度ですが、主力であるナツメヤシは
5割近くになっています。
ーキブツの施設ー
ここに全て載せるのことはできませんが、日々自分も利用する施設を紹介します。
まずはプール!
キブツの真ん中あたりに位置し、全体図で見るとくの字に曲がっているのがプールです。しかもなんと24時間いつでも入り放題!
到着した初日から今まで入らなかった日はありませんo(`ω´ )o
農園から帰ってきた直後、夕暮れ時、寝る前の夜中などいつでもプールは
灼熱の気候において無くてはならないものです。
マットで浮かぶのもよし、プールサイドの芝生でギターを弾くのもよし、
思い切り飛び込んでも誰も何も注意しません。
しかし、ライフガードがいないため子供が泳ぐ時は親がちゃんと見ていたりして
全て個人の責任に任されています。
みんな大好き砂漠のプール
次はダイニングホール。
主に食堂としての役割を果たしています。
キブツではグランドやプールに次ぐ大きな施設で内部には調理場、食料庫、冷凍室、野菜室、乳製品冷蔵庫、パン・コーヒー置き場などがありキブツメンバーの胃袋を日々支える拠点となっています( ^ω^ )
メニューは日替わりの体制をとっているようですが、昼に余ったものは夕食時にも出され可能な限り消費されるようになっています。
またキブツ内での方針を考えたり決め事をする際など大人たちが集まってミーティングを開くのにも使われたりしています。
この日のメインはピザ!
調理場 常に5、6人で作業している
最後に紹介するのはボランティアハウス。というか、その見た目から
キャラバンと言われています。定住者はしっかりとした一軒家に住んでおり、
国内からのボランティアは上から二枚目の写真のようなこじんまりとした
ミニハウス、そして国外からのボランティアは掘建小屋とまでは言わないまでも、
かなり簡素に作られたキャラバンに住んでます。
中はダイニング、ベッドルーム2部屋、キッチン(コンロ無し)、ユニットシャワー
という感じで、私のキャラバンは今フランス、ハンガリー、ポーランド人の4人住まいです。各部屋にはちゃんとエアコンが付いていますが、温度設定は不可で扇風と冷房の二択しかない簡単なものです。
しかも、冷房の温度がどういうわけなのかとてつもない低さと強力な風の威力で
冷蔵庫並みに部屋を冷たくしてくれます。
キャラバンの外観 壁はかなり薄い
私のベッド 上のくぼみが強力A/C
キッチン
キブツ内には他にも緊急時のシェルター約10箇所、多目的ホール、幼稚園、
陶芸教室、ミニ図書館、農業用マシーンやトラクターの修理場所など
点在しています。
という感じになんとかまとめてみましたが、サマールの雰囲気は文章よりも
映像で見た方が伝わりやすいと思うので下記をご覧ください(笑)
暑い夏に砂漠のオアシスで過ごすのはいかかでしょう?
レヒトラオート!
砂漠へ引っ越してきました!灼熱の大地だよネゲブ沙漠!
シャローム!
日本も暑そうですが、
こちらはイスラエル南部・ネゲブ沙漠の端
にあるとある「オアシス」へ引っ越してきました!もう二週間前ですが...
裏庭からの景色 ヨルダン側から昇る日の光を浴びモルゲンロート状態になっている
どんなところに住み、どんなことをしているかは今後アップしていきます( ´ ▽ ` )ノ
兎にも角にもここはガチ沙漠です。
人生で沙漠に住むなんて思いもしませんでした。
まず今住んでいる周囲の環境がどんなところかザックリと紹介をしたいと思います。
一言でいうと暑いではなく、「熱い」です。
灼熱という言葉がピッタリ当てはまります。
今は一年で最も熱い時期であり、日中は40度を軽々超えます。
先日は夕方17時頃に43度を示していました!
裏庭 居住区を囲む有刺鉄線が何重にも張り巡らされている
日中は熱風がこの乾いた大地を吹き抜けています。
ハムシーンと言われるこの熱風がこの地方を覆う時、空は昼間でも銀色になります。
まるで巨大なドライヤーがMAXで風を吹き付ける感じがしています。
車の窓を開けてもひたすら入ってくるのは熱風と埃だけで!!!
こんな熱さと乾燥は梅雨で乾きにくい日本中の洗濯物に
ピッタリかもしれません( ;´Д`)
ところでこんな荒野にヒト以外に生命の存在を、正直感じません
沙漠の彼方を眺めているだけでは。
しかし、こっちのひとに聞くと様々な野生生物がいるそうです。
ジャッカルいーの
オオカミいーの
ガゼルいーの
キツネいーの
フクロウいーの
毒グモ、サソリいーの...
先週は岩をひっくり返したら、クモとサソリがハイブリッドした
いかにも危険そうなヤツを見つけました👇
夜にはハイエナがゴミをあさりに来るのとも言ってましたが、まだ見てません。
という具合に、ここは野生動物も多数共存している沙漠でもあります。
そしてここはお隣ヨルダンとの国境から直ぐです!(約2キロ弱)
ここに来た当初は隣の国が直ぐそこに見える環境に新鮮味を感じていましたが、それももう慣れてきました。
夕方になると東へ指す光が国境ライン上のフェンスによく反射しキラキラと輝いているのが見えます。
しかしこのフェンス、国境上に延々と続いていると完全に思っていましたが、
実はここから直ぐ見えるところで途切れています!o(`ω´ )o
友達が言うには3週間前まではもっと向こうで途切れており、どんどん最南端の
エイラットから果ては死海に向かって現在進行形で建設している模様です。
ということで、越境しようと思えば散歩感覚でヨルダン側へ行けてしまいます!
(絶対やってはいけません)
また別の友人はこんなこと言ってました。
「以前、フェンスが無い国境付近で遊んでたんだよね。
んで、気付いたら数メートルくらいヨルダン側に入ってしまってたらしいんだよ。」
(これも絶対やってはいけません)
「そしたらどうなったん?」
「そしたらすぐどこかからイスラエル軍がすっ飛んできたわーアハハハ」
「・・・・・( ;´Д`)」
国境フェンスに最接近 残り100メートル強
「もしフェンスに触っただけならどうなるん?」
「Try it now」
「いえ、やめときます!!!」
以上まとめてざっくり言うと...
⭐️灼熱の荒野
⭐️近所には多数野生動物が生息
⭐️ヨルダンとの国境はすぐそこ
という環境に引っ越してきました。
読者の皆さんどうぞ今後もよろしくお願いします。
それではレヒトラオート!
エルサレム旧市街へ③ 聖墳墓教会 イエスの墓へ行ってきたよ!
早朝は快適の一言ですが、日中は40度超えです( ;´Д`)
しかし湿度が極端に低いため、汗はそれほどかきません。
代わりに水をどんどん飲まないと脱水症状になる危険性があるので
常に水の携帯は必須です。
イスラエルには路上自販機なんてものはないのでこういう時にだけ日本レベルの自販機の有り難みが分かります!(笑)
エルサレムシリーズ最後の投稿は、
キリスト教にとってもっとも重要な巡礼地、聖墳墓教会<Church of the Holy Sepulchre>
です。
最後の晩餐
鞭打ち
十字架の釘つけ
そして復活.....
これらは全てエルサレムにあります。
最後の晩餐の部屋は城壁外にあり、ダ・ヴィンチの名作に描かれた場所とは
似ても似つかないそうです。
教会の入り口 アラブ人やムスリムは来ないが中は連日教徒で
混雑している
神殿の丘や嘆きの壁と比べなかなか辿り着きにくかったです。
一応、路地にサインがあり方向を示してくれてはいますが
これが分かりにくかったです。
ウロウロしていると、アラブ人の爺さまが
「お前どこへ行くんじゃ?」と。
「教会へ行くよ」というと、
よし来たわしについてこんかい!と言わんばかりに案内をしてくれました。
しかし教会入り口付近に到着すると
案内した代わりに5シェケルを渡せという。
すっかり初歩的な手口というかよく有りがちな「親切心」に引っかかってしまいました(笑)
今度聞かれたら「あなたの家!」とでも言ってみようか...
兎に角教会へいよいよ入りますが、まずは下記の教会内の宗派ごとの区分けを載せます。
区域は広い順に
薄青:ギリシア正教
薄緑:エピオピア正教
薄紫:ローマ・カトリック
薄黄:アルメニア正教
薄ピンク:コプト正教
薄茶:シリア正教
というように分かれています。
これによりそれぞれの宗派の教徒は自分たちの区域に行くのにも
どの柱を抜けて辿り着くなど厳格に決められているそうです。
因みに、各派が門の所有権を争っているために、毎朝入り口の門を開けるのは
アラブ人少年の仕事になっています。
詳しくはyoutubeで!!!👇
まず入り口に入って目に入ってくるのが、香油を注がれた石です。
イエスの絶命後、十字架から降ろされその聖骸に香油を塗った地点だと言われています。
自分のようにただの観光客だけではなく、ここでも石へ跪き口を付け、
熱心に祈りを捧げる信者が続々と訪れます。
イエスが磔刑に処されたゴルゴタの丘のゴルゴタはしゃれこうべという意味を持ち、
埋葬れた丘の地形が丸い頭蓋骨の形に似ているからとも言われています。
また、聖書で人類最初の人間とされるアダムの頭蓋骨が埋葬されているとも
言い伝えられている、らしいですε-(´∀`; )
モーセもイエスもムハンマドも神と崇められている者には逸話や伝説が付き物です。
これは世界共通と言えるのではないでしょうか。
聖骸布もロンギヌスの槍も香油の石もたとえそれが本物であろうが、なかろうが
「そう言い伝えられている」「そういうこととされている」というだけで
長い歴史を刻むうちにいつしか聖地、信仰の対象となったのだとも思います。
イエスの墓は当時洞穴だったとされているが、現在は大理石の彫刻やビロードの布が
蝋燭の光に照らされ幻想的な空間になっていますが、
人の多さからガヤガヤとしていて有り難みは激減している雰囲気は否めませんでした
( ;´Д`)
イエスの墓に注ぐ光 周囲は行列ができている
世界三大宗教のそれぞれの聖地を巡りましたが、
個人的には神殿の丘&岩のドームが一番好きでした。
しかしどの宗教が優れているか劣っているかという問題は愚問。
神の教えを守ることや信仰の大切さ伝統を守り続けること、
これらはどの宗教にも共通し目に見える見えないに関わらず
美しいものだと感じました。
エルサレム...
様々な人類の歴史と宗教の街
対立を産む聖地の中心地
エルサレムを訪れるということは、歴史の生き証人に会うことに
等しいのかもしれません。
レヒトラオート
エルサレム旧市街へ ② 神殿の丘&岩のドーム
シャローム!
昨日の土曜日はシャバットでした。
シャバット(Sabbath,שבת)とはイスラエルにおける安息日のことです。
ユダヤ教の暦に置いて最も大切な1日であり、一切の労働をしてはいけない日と
されています。それはなぜか...
十戒の中で守ることを教えられているからです。
厳格派のひとたちは機器の操作や火の扱いを一切できなくなるため
金曜日の日没までに食事を作り終える必要等もあります。
以前、ハリポッター新刊の販売をシャバットに行った本屋が政府から罰金を受けたということもあり、オフィスや銀行はもちろん一部を除き国の公共交通機関は全体的にストップします。
地中海へ沈む太陽 テル・アビブ
さて、前回の投稿ではユダヤ教の聖地、嘆きの壁を取り上げました。
今回は、イスラム教における第三の聖地神殿の丘と岩のドームについて
書きたいと思います。
皆さんも一度は教科書等で見たことはあるのではないでしょうか。
ムハンマドが昇天した場所...
黄金に輝く屋根とドーム全体の壁を埋め尽くす繊細且つ緻密なアラビア模様の細密画
があまりにもシンボリックでありインパクトがあります。
そのインパクトがあまりにも強さがあるため、
人間がというより神が一夜にして創り上げたという説明の方が納得がいくほどに
美しい建築物だと思います。
ため息が出るほどに美しい 上部にはアラビア文字も混ぜ込まれている
<神殿の丘>
この神殿の丘(ハラム・シェリーフ)はイスラム教だけではなくユダヤ教、キリスト教の聖地でもあります。
- ユダヤ教の聖地:丘の中心に建つドームの中の岩は世界が創造された際の「基礎石(エベン・シュティア)」と言われ、エルサレムの中心、ひいては世界の中心であるとしています。古くはソロモン王の神殿があった場所とされ、ダビデ王が神の契約の箱を置いた場所とも言われており、2000年前にはイエスも頻繁に訪れたといいます。
<岩のドーム>
エルサレムのシンボル的存在ともなっている岩のドームは、預言者ムハンマドが天使を従え、天馬に乗って昇天したと言われている聖岩を抱え込むように建っています。
残念ながら現在、ムスリム以外の入場は禁止になっています。
上の写真でも分かるように八角形の壁は全面細密画のタイルがびっしり貼られ、
ドーム全体をずっと眺めていても、模様を細かく近づいて見ていても飽きることはありません。個人的にはキリスト教に関する絵画や教会内のデザインよりアラビア紋様の方が好きです。
イスラム教では偶像崇拝を徹底的に排除している分、神への畏敬の念や奉仕、信徒同士の一体感等を全て模様に表現しているのでないかと思っています。
またミナレットのスピーカーから流れてくるクルアーンの読経はなぜか落ち着いた気分になります。
特に早朝に街のどこかから流れてクルアーンを聞きながらウトウトするはどうして心地よい気分になるのか自分でも不思議です。例え理解できなくでも、アラビア語独特な響きは何かひとを落ち着かせる要素が含まれているとも勝手に思っています。
一通りドームを回りながら鑑賞を楽しんでいると、
やはり来ます。
イスラム教への勧誘するにーちゃんが。
大体中国語、英語、日本語etc.いろんな言語に対応した冊子用意しています↓
新興宗教ではないので、中身はしっかりとまとめられているのでパラパラとめくりながら、にーちゃんとあーだこーだと話すのはいい暇つぶしになります(笑)
冊子もくれよと言うと、これでお前も信徒同士だと言わんばかりに満面のニコニコ顔で
どーぞどーぞ!何冊でも持って行ってくれ!という感じでくれます( *`ω´)
神殿の丘を散策しているとメッカの方面を向き熱心にクルアーンを読んでいる人や、
絨毯を敷いて祈る人も多く見えます。
長老のようなオーラを放つお爺ちゃん井戸端会議的な様子も間近で見れます↓
ムスリムモスクで好きなのは、祈りは寺院内だけでなく外でも多くの信者が一同に会する分とても広く作られておりたいてい風通しも良いです。
また、地面に大理石を敷き詰めたりもしているため影に入るととてもヒンヤリとし、
歩き疲れた足を休めるのにも適していると思っています。
そんなことは信者には言いませんが、自分の中でムスリムモスクは街の喧騒から離れ勧誘のにーちゃんと世間話を楽しみ尚且つじっくり模様を鑑賞しながら休むことができる
憩いの聖域として勝手に決めています!(笑) ( ´ ▽ ` )ノ
木綿商人の門をくぐり丘に向かうムスリム女性たち
ゆっくり休みながらその後の1日の予定を考え、
神殿の丘を訪れることができた幸福感に浸りながら繁華街へ戻りました。
それでは今日も良い1日を!ヨムトーブ!