フノノ旅する日記ブログ

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シナイ半島・モーゼ山に行ってきたよ!(Day 3rd. 日帰りトレッキング)

アッサラームアライクム

 

シナイの旅の3日目は一日トレッキングです。

イブラヒムの庵と自分たちが寝た離れの岩小屋に食料や荷物はデポして、

水や昼に食べるピタや野菜などだけを持って歩き出します。

 

その前にとりあえずはおきまりのチャイから....

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中東でもよく飲まれるチャイ(アラビア語ではシャイと発音)は、インドやネパールのように鍋で煮たせてから茶漉しを通してコップに注ぐのではなく、沸騰したヤカンに茶っ葉と砂糖をたっぷり入れて、茶っ葉ごとコップに入れていきます。茶っ葉は味が出ていくにつれて沈殿していきそのあと飲むので、注いでから少し待つ必要があります。

お湯が熱くなっていないと茶っ葉が沈殿しにくくなるので、よく沸騰させるのがコツです。

 

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【トレッキングへ】

昨晩のスパムご飯で朝食を済ませ済ませて、トレッキングに出発です。

谷間を抜けて別のトレイルを進みます。

 

赤肌の岩山が延々と続き、高所に登ると山岳地帯が途切れ砂漠がはるか彼方に見えています。これほどの大自然、もう何千、何万年と変わっていない違いありません。

古代のエジプト文明からも遠く、大きな文明が栄えたわけではありませんが、

巨岩の下に石が積まれ何かの貯蔵庫か寝床のように作られている場所や古井戸、点在する村々など確かに人々が延々と歴史を刻んできた痕跡や証が今でもあり、携帯電話やガスコンロ以外、自然と同じく何千年もほとんど変わらない生活をしているのだと思います。

 

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しばらく歩くと畑が見えてきました。

キレイにビシッと畝が作られ、何かを栽培しているようです。

聞くとイブラヒムの秘密のタバコ畑で、大麻草も少し植えているとのことです( ̄Д ̄)ノ

畑では畝の上ではなく四角の中で育てていました。ベドウィンは生計を立てるためにもこういった畑や自分の庭を山の中に所有しています。

ホダリーという植物はニコチンやタールはないけど葉巻的な味を楽しむことができるそうで、家でも簡単に栽培可能なためビジネスにする人もいるとのことです。

 

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 畑のチェックに抜かりがないイブラヒム!

たくさんタバコできるといいね!

しかし自前のタバコ栽培でも問題はあります。

巻きタバコとして使うためアルミ缶や袋に入れ保管するのですが、ハタからすればどう見ても大麻のように見えてしまいます。なので、街に出るときはちゃんと市販のパッケージものを購入すると言っていました。ベドウィンの生活を支えるために重要なホダリー栽培ビジネスですが、政府の許可がないためこういった山岳地帯で密かに作るしかないので現状のようです。

 

岩陰で休んでチャイを沸かしたり、テクテクと静かな天気の中岩山を越え、誰かの果樹園の中を突っ切り、行けるとこまで進みます。

するとイブラヒムが徐ろに腰巻にしていたカフィーヤ(アラブのターバン)を地面に広げ、草をむしり取り始めました。

これ何なの?と聞くと、

「これはアシャーブと言って乾燥させてお湯で飲むと咳などに効く薬草なんだ。」

と言います。

もうトレッキングそっちのけで無心になってむしっているので、

自分らも手伝うことにしました。

ここである疑問が湧いてきます。

「........今日はトレッキングでなくて、イブラヒムの手伝いに駆り出されたんじゃね?」( ? _ ? )と。

 

イブラヒム曰くこのアシャーブ、英語ではヘルパスと呼ばれるらいです。

手で揉んで嗅ぐと、鼻がスーッとするような香りでミントに近いのかなと

思います。

 

ある程度収穫したようなので、歩き出します。

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アシャーブは日がよく当たる場所より岩陰によく群生していた

 

【ランチ】

開けた場所に着きました。

どうやらこれまでにもたくさんのイスラエル人観光客が来たらしく、

石を並べてヘブライ語で名前やメッセージを書いてあるのがそこらじゅうに

点在しています。

 

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おきまりのポーズ(^ω^)

 

ここで昼の休憩にするというので、自分たちも散策します。

戻るとイブラヒムはまったりタバコを吹かしていましたが、

なんか食べようやと言うと薪拾いをし始めました。

 

ある程度置き火ができたところで、イブラヒムは火を

ズズズーっと少しどけます。

何をするのかなと見ていると、持ってきたピタを熱くなった地面の上に

バッサバッサと置いていきます。

 

冷えたピタを温めて再び柔らかくするためやったんか!!!

またベドウィンのスキルはどれも感動モノです。

この技は日本のキャンプ場や河原でも使えるはず!

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 裸足になりゴロゴロしたり、イブラヒムの歌に聞き入ったりして過ごします。

締めにチャイを飲んで帰路につきます。

 

【帰り道】

来た時アシャーブを収穫した場所で

彼はまたまたむしり取りだします。

日も沈んできてやれやれと思いつつもガッツリお手伝いをします!

 

三人とも無言でやっていると、

突然、岩陰からベドウィンが現れました!

まるで地面から湧いて出てきたかのような感じだったので、さすがに

少しぎょっとしてしまいました。

どうやらイブラヒムの友人。彼もアシャーブを大量に取っていました。

よくムスリムが来ている足まで長い白い服(ジャッラビーヤ)の前の部分を

うまい具合にポケットのように使い薬草を抱えていました。

そしてそれを全てイブラヒムにあげちゃって去って行きました!なんでー!?!?

いろんなことを理解できないまま若ベドウィンはまた岩の向こうへ消えました...

 

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帰り道トゲトゲしい草が歩く場所を邪魔しているというので、火をつけた!笑

 

合計3キロほど収穫したアシャーブは一度岩の小屋でカラカラになるまで乾燥させてから村で売るとのことです。

 

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月が光出してきた頃、岩小屋に到着。

 

この日の夕食はトマトソースのマカロニ煮込みでした。

うーん野菜がたくさん入っていい味が出てる。

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この日もたっぷり星空を見た後、

岩小屋にろうそくを灯し寝床につきます...

 

シナイの旅4日目は他のベドウィンと宴会にちゃっかり参加!

 

それではまた!シャローム