フノノ旅する日記ブログ

The World is Wonderful!◯◯への一歩は必ず踏み出せる!

シナイ半島・モーゼ山に行ってきたよ!(Day 5th.)

皆さんこんにちは!シャローム レクラーム!

 

シナイの旅もいよいよ大詰め。

5日目の夕方になりようやく目的地のモーゼ山が見えることろまで来ました。

 

ベドウィンのご馳走とハシシの煙に巻かれた宴会から一夜を明け、自分たちは二人だけで裏山に登り朝日を眺めに行きました👇

 

 

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朝日は美しいが、壮大な山岳風景にも慣れて感動の気持ちが下がってきた...笑

 

【長い峠越え】 

小屋に戻ると他のベドウィンも起き、外で茶をしばいていました。

チャイと簡単に朝食を済ませ、彼らに別れを告げ出発です。

 

今更ですが、アマリーヤさんの家がある谷間の名前は、

Wadi Zuweitin ワディ・ザワティン。

Wadiとはアラビア語で「乾いた川」という意味。イスラエル南部には今もワディ何々という地名がたくさんあります。そしてZuwaitinはオリーブ。ヘブライ語ではザイティームと言い良くに似ています。文字通りここにはオリーブの樹がたくさん生えていました。

イブラヒムに聞くと樹齢700年のものもあるらしく、はるか昔にベドウィンが植えたものとのことで、今日ではアマリーヤさんが樹の所有者みたいらしいです。

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極度に乾燥した大地でも力強く生きるオリーブの樹

 

今日もこれまでと変わらず、谷間をテクテクと下がったり登ったり...

 

ロバのナチュラルな剥製が....( ̄Д ̄)ノ

山の奥のまた奥にもひっそりとベドウィンのお爺さんたちが住んでいました。イブラヒムはこうやってガイドをすると同時に彼らへ村からの物資(薬とかタバコ)を提供するという重要な役割もありそうです。

一緒にチャイを飲んでいる間、イブラヒムは山の中で孤立した彼らに最近の様子を

伺ったり、体調を聞いたりしていました。そして、薬やタバコ葉っぱをあげる代わりに

彼らの一人からタバコ用で手製の木製パイプを受け取っていました。

生活がシンプルなだけに物々交換というシステムが成り立っているのでしょう。

これもまたベドウィンが厳しい環境の中でお互いを助け合い、生きていく為の術だと思います。

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かなり高齢なベドウィンのお爺さん ひっそりと山の中で暮らしていました 

 

シンプルで質素な生活とは言え、薬等の物資も十分になく、誰かに届けてもらわないと入手ができないような場所でもしっかりと生活を刻み生きています。

なんとしたたかなことでしょう。

心配な気持ちがありつつも我々はお爺さんを後にして先に進まなくてはなりません。

 

だだっ広い開けた地形になってきて、ちょっと地図でトレイルを確認していると

イブラヒムはおよそ道があるとは思えない岩山へばりつくように登って行きました。

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トレイルや踏み跡さえもない左方面へ進んでいく.... 

 

3人でお互い引き上げたりしてなんとか岩山を登り切ります。

いやー誰も滑落しなくて良かったよかった( ̄Д ̄)ノ

 

大きな岩の上で休憩です。

自分は前日やこの日の行動記録をメモ帳に記します。

横ではイブラヒムは午後のお祈り中。それから当然巻きタバコ。

風が吹けば汗がすぐ乾いてしまうほどの爽やかがあります。

 

岩壁にミニ氷瀑を発見!カッチコチの氷、すっげえ分厚い!

 

岩山を登り切ってから、峠に着くまでが長かったのなんの...

峠寸前でパートナーがエネルギー切れになりそうになったので

急いでナツメヤシを食べさせ、出発から4時間かかり峠に到着!

 

そこで待っていたのは正面にモーゼ山がドーーーン!

単独山というより巨大な一枚岩のような容姿をこれでもかというほど

太陽光を反射させこちらに見せつけてきます。

 

聖書によるとモーゼが400年間奴隷にされていたユダヤ人を救うためエジプトを脱出した後、たどり着いた山中で神からイスラエルの民のために十戒を授かったとされる

聖なる山。

中学生の頃、世界史の資料集で見た山が今自分の目の前にある。

感動ものです。

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山を眺めながら遅めの峠ランチ! 

 

 

モーゼが授かった十戒とは以下です。

1.ヤハウェが唯一の神であること
2.偶像を作ってはならないこと(偶像崇拝の禁止)
3.神の名をみだりに唱えてはならないこと
4.安息日を守ること
5.父母を敬うこと
6.殺人をしてはいけないこと(汝、殺す無かれ)
7.姦淫をしてはいけないこと
8.盗んではいけないこと
9.偽証してはいけないこと
10.隣人の家をむさぼってはいけないこと

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ちなみに映画「エクソダス 神と王」では、モーゼが山中で神と思われる者

に話されながら、十戒を石版に刻み込むシーンがあります。

 

【峠から麓の村へ】

ということで、モーゼ山を拝めたもののこの日のトレッキングはまだ終わりません。

この峠から一気に山を降り、そして山の中腹にあるイブラヒムの友人がやっているチャイ屋まで行かなくてはなりません。

 

一時間半かけて降りたところで、谷底に小さな村がありました。

ここにイブラヒムの友人が住んでいるというのでモーゼ山に登る前に

夕食を兼ねて休憩です。

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モーゼ山の麓に位置する小さな村

 

外の庭で座っているとこの家の嫁らしき女性が現れチャイを提供してくれました。

しばらくして現れたのは、ものスゴイ肝っ玉母ちゃんな雰囲気を漂わせる

女性と孫の女の子。

この母ちゃん、嫁らしき人に砂糖を持ってこさせたり、チャイ台を動かさせたり指示をあれやこれや出して働かせています。

イブラヒムもタバコをすかさず巻いて渡すなど、かなりの権力者のようです囧

 

肝っ玉母ちゃん  タバコを口に運ぶ度ジャッラビーヤ(ムスリム服)を捲り上げ、器用に吸っていた

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【モーゼ山入山】

20時頃までコーヒーや楽器演奏などしてたっぷり休んだので、そろそろ行こうやとイブラヒムに告げると、

ここが快適だから残りてぇなぁと言い出します。

 

......いやいや最後までガイドしてくれや!笑

 

外はすでに完全な闇。ヘッドライトを装着します。

出発するとそこはもう満天の星空が広がっていました。

微かに姿がうかがえるモーゼ山は闇の中では昼間よりも巨大に見えます。

 

遠くが見渡せるところまで少し登ると遥か地平線にポツポツと村の光が

見えています。

一時間ほど歩くと目的地のチャイ屋に到着しました。

友人は電波の悪いラジオを流しながら、土間で乾燥したアヘンを

刻んだりしていました。

 

小屋の奥に通され、ロウソクを何本も立てて寝床を整えます。

次の日の早朝は、ついにモーゼ山の頂上へ!

どんな朝日が見れるのか期待を胸にシュラフに体を潜り込ませます...

 

ライラトーブ